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2005年10月30日

●性善説と性悪説

僕は以前まではどちらかと言うと性善説を信じていました。しかしネット関係の仕事に携わるようになってからは、性悪説も必要なのかもと感じるようになりました。

性善説とは、人間は元々「善」であるという説。対して性悪説とは、人間は元々「悪」であるという説。努力と修養によって「善」になるという説です。

最近ではネットが絡んだ事件が後を絶ちません。

インターネットの掲示板に小学4年女児の殺害を予告する書き込みをしたとして逮捕された容疑者は、女児の学校のホームページに女児の氏名が掲載されているのを見つけ標的にしたそうです。


防犯上ホームページでは子供の写真だけでなく氏名の公表も控える学校が多い中、この学校では性善説を信じて公表してしまったんでしょうね。ホームページに写真や氏名の載った子供が犯罪者に狙われる被害は後を絶ちません。このような事を考慮すると、寂しい事ですが人間は性悪説なのかもしれません。

個人情報の漏洩も問題です。特に企業の顧客情報の漏洩は最近多すぎるのではないでしょうか?しかし、システムの欠陥による漏洩というのは実は少ないんです。多くは人的被害。書類を持ち出してうっかりどこかに忘れてしまったり、元々販売目的で情報を持ち出したり…というものです。

社外からの進入による流出ももちろんあります。しかし、それよりも多いのが内部流出なのです。派遣社員やアルバイトによる犯行も目立ちますが、社員が手を貸すケースもあります。それだけ愛社精神がなくなっているのか、危機管理意識が低いのか、まぁモラルの問題なんでしょうが…。

では、情報の流出を防ぐためにはどうすればいいのか?社外からの進入はシャットアウトするとして問題は内部流出です。これを防ぐには性悪説に則った対策が必要です。そうしないと徹底した管理なんて出来ません。社員が情報を盗み出すリスクも考慮する事が本当のリスクマネジメントなんです。

人間を性悪説で見る事は人間不信を招きます。職場の人間環境が悪くなる可能性もあります。まさかあの人が…という気持ちも残るでしょう。でもそこまでしないと情報漏洩はなくならないような気がします。性善説ならば簡単なんですけどね。性善説は一般的には甘チャンの考えと言われますが…。^_^;

ちなみに、同じネットの世界でも「電車男」は性善説しか成り立ちません。匿名のネット掲示板の言葉を信じて行動しているからです。もちろん、2chを使いこなしていたという事、ホントとウソの情報を見分けられる自信があった事は間違いないでしょうが、それでも「みんなが自分に対して協力してくれている」という性善説を前提としたものに他なりません。


まぁ、これだけたくさんの人間が居るのですから性善説の人間も、性悪説の人間も居て当然だと思います。しかし、少数でも性悪説の人間が居る限り、それを前提とした対策を施しておかなくてはいけない事も事実です。

性善説だけ信じているような「甘チャン」では世の中は渡っていけないって事ですね…。寂しい世の中です。





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